■KORG MR-1をSSDに換装する - まとめ
この情報は2008年末〜2009年始めに作成したものです。現状にあわないかもしれません。
- どんな不利益が発生しようとも (suzuki) は責任は負いません。このページはあくまで参考情報です。
- 作業者の責任において作業してください。最悪の場合、MR-1本体やSSDを壊します。
- 換装に成功しようが失敗しようが、メーカーのサポートは受けられなくなります。
- 以下の作業はWindows XPでやってますが、同じ結果を得られる保証はありません。
- このページの情報は、2008年12月後半に、(suzuki)が収集した情報に基づいています。
換装作業については「換装作業編」にまとめました。
概要
KORG MR-1のHDDを、以下の２つのSSDに換装してみた記録です。
- MSD-PATA3018-016ZIF2 （Mtron MOBI 3000シリーズ）
- GH-SSD32GP-1M
KORG MR-1は記憶媒体にHDDを使っています。 HDDならではの不安は付き物で、また電池があまり持たないため、ゼロスピンドル化したくなる誘惑に駆られます。 SSDの値段が下がってきたみたいなので、実際にSSDに換装してみました。
換装に使用したMR-1本体はシリアル番号が非常に若いので、初期ロットという認識でよいでしょう。通販で予約して発売日に入手しました。 当サイトの鉄道の音（2006年末以降のもの）は、このMR-1を使用して録音しています。 不満が全くない高音質で録音できます。左側のメニューからお選びください。特にDMH17の音はお勧めです。
まずはまとめから
今回使用した２つのSSDへの換装はお勧めしません。 MSD-PATA3018-016ZIF2は電気を食うので、換装する利点は振動に強くなる程度でした。 GH-SSD32GP-1Mは遅すぎて正常動作を見込めません。 SamsungのSSDはお試し気分では価格が高いので、試すとしてもしばらく先です。
| HDD/SSD機種 | 消費電力 | 速度 | 再生時間の目安 | 記 |
|---|---|---|---|---|
| HTC426020G5CE00 | × | △ | 2時間15分 | MR-1内蔵HDD |
| MSD-PATA3018-016ZIF2 | × | ○ | 2時間30分 | 内蔵電池の性能に不安 |
| GH-SSD32GP-1M | ○ | × | 4時間 | まったく安定せず |
私が持つMR-1は電源周りがちょっとくたびれている（電源On時に電圧不足になる可能性がある）かもしれません。お読みいただく際に勘案してください。
まとめ：MSD-PATA3018-016ZIF2
再生
- 満充電からの再生（DSF/2.8224MHz）時間は約２時間半でした。HDDの時とはそれほど変わらないでしょう。ヘッドホンを接続し、音量は40に設定しました。
- 最初の60分を再生したあとに電源をOff/Onしたら、表示が「Battery Empty」になりました。USB/DC入力をつないで電源を入れれば、電源On後は外して問題ありませんでした。
- 本体再生時（DSF/2.8224MHz）に、再生開始６〜７秒あたりでノイズが入ります。ファイルを切り替えて再生し直すと、再び同様のノイズが入ります。ファイル中の時間ではなく、再生開始後の６〜７秒後です。
- AudioGate v1.5.1 のアクティベーションは問題ありませんでした。
録音
- 録音（CDアナログ出力→LINE IN、60分くらいのクラシック曲）して、PCに吸い上げて、AudioGate v1.5.1でWave（48kHz/24bit）に変換しましたが、全体を通してノイズが混入している様子はありませんでした。
- 遠征でも一度使用しましたが、上記のバッテリの問題を除き、しっかり録音できました。
まとめ：GH-SSD32GP-1M
再生
- 満充電からの再生時間は約４時間でした。MSD-PATA3018-016ZIF2 と比較して50％以上伸びています。同様にヘッドホンを接続し、音量は40に設定しました。
- 電源On/Offは、最初の60分後では問題ありませんでした。次の60分以降ではUSB/DC入力が必要で、電源On後は外しても問題ありませんでした。
- 再生中に雑音が入ることはありませんでした。
録音
- 録音開始（DSF/2.8224MHz）して数分のうちに、MR-1が操作を受け付けなくなりました。画面上では録音が動いているようですが、止めるすべがありません。脇にあるピンホールを突いて、強制的に電源をOffにして止めるしかありませんでした。その際に録音内容は失われます。
- 短時間でしたら録音できましたが、雑音が入りました。データ異常に起因するもののようで、SSDへの記録が間に合ってないと推測しています。
- Wave（44.1kHz/16bit）程度に落としても、同様に数分で操作を受け付けなくなりました。
ベンチマークの比較
CrystalDiskMark 2.2 を使用しました。全てFAT32、クラスタサイズ16kです。 接続は USB 2.0（GW2.5AI-U2 / DCT-ZIF25IDE 経由）です。設定が既定ではないので、参考に留めてください。
CrystalDiskMark: MR-1内蔵のHDD
CrystalDiskMark: Mtron MSD-PATA3018-016ZIF2
CrystalDiskMark: GreenHouse GH-SSD32GP-1M
MR-1についての私見
発売した2006年末当時のパーツ類を考えれば、MR-1は妥当な構成だと思います。 購入から２年程度経過して、MR-1に対して必要と感じているのは以下の３点です。
- SDHC(SDXC)対応
- 充電池交換対応
- ACアダプタの小型化
SDHC(SDXC)について
この２年で何よりも、これが究極的に安くなってしまいました。参考として価格.comから価格の推移を引っ張ってきました。 2006年末当時は十分な容量のメモリカードが普及してなかったのでHDDにしたのでしょう。
| SDカード | 機種 | 2006年末 | 2007年末 | 2008年末 |
|---|---|---|---|---|
| SD 2GB | TS2GSDC | 4,500 | 2,000 | 400 |
| SDHC 4GB | TS4GSDHC6 | 18,000 | 3,500 | 700 |
| SDHC 8GB | TS8GSDHC6 | - | 7,500 | 1,400 |
| SDHC 16GB | TS16GSDHC6 | - | - | 2,800 |
あくまで予想ですが、MR-1はHDDを前提（バッファ処理など）として設計されているように思います。 シーケンシャルで速度が足りていても、単純なフラッシュメモリでは安定動作しない傾向が見られます。
電池について
手元にある電池で、似たような大きさのものを並べてみました。 体積や重量、入手性や携帯性、そして安定性まで含めて考えると、リチウムがよいか単三電池がよいか、ユーザーとしても迷います。
| 機種 | 重量 | 仕様 |
|---|---|---|
| KORG MR-1 | 44g | 3.7V 2000mAh |
| FujiFilm FinePix f11 | 43g | 3.6V 1950mAh |
| Nikon D40 | 50g | 7.4V 1000mAh |
| エネループ 3本 | 79g | 1.2V 2000mAh/本 |
| エネループ 4本 | 105g |
ACアダプタについて
パッケージの大部分はACアダプタとACケーブルという超がっかり感。持ち運びに最も難があるのは充電器具です。 私が出かけるときは、ポータブルバッテリを使用しています。
最後に
結局元に戻すことにしました。お手頃価格のSSDが出てくるまで再度お預けです。 さらに残念な事に、USBでつなげてもPCから認識できなくなってしまいました。 MR-1本体がダメージを受けてしまったかもしれません。 今後は録音の都度HDDを取り出してつなぐ必要がありそうです（涙）。 何よりもAudioGateのアクティベーションに不安が。 HDDに交換したら元通りになりました。やはりHDDで動かすのが最良のようです。
そこそこのマイクを内蔵しているPCM-D50とかも、機動性の点で気になります。 しかし200gの装置で十分な品質の1bit録音ができるMR-1は、いまだに魅力的です。 そういえばMR倶楽部の第３回はないのだろうか。１、２回目はちょうど用事があって行けませんでした。
参考：Gmarketからのお買い物について
情報が古くなったので削除しました。もしみたい場合は、コメントアウトしてあるだけなので、HTMLのソースを開いてください。
参考：録音時間・録音容量早見表
時間ごとの録音容量（MB）
※オーバーヘッドは考えていません。単純なデータ量計算です。
| サンプリング/ビット | データレート | 1分 | 10分 | 30分 | 60分 | 120分 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 5.6448MHz/1bit | 1,378kB/s | 80.7 | 807.5 | 2422.5 | 4845.0 | 9689.9 |
| 2.8224MHz/1bit | 689kB/s | 40.4 | 403.7 | 1211.2 | 2422.5 | 4845.0 |
| 192.0kHz/24bit | 1,125kB/s | 65.9 | 659.2 | 1977.5 | 3955.1 | 7910.2 |
| 176.4kHz/24bit | 1,034kB/s | 60.6 | 605.6 | 1816.9 | 3633.7 | 7267.5 |
| 96.0kHz/24bit | 563kB/s | 33.0 | 329.6 | 988.8 | 1977.5 | 3955.1 |
| 88.2kHz/24bit | 517kB/s | 30.3 | 302.8 | 908.4 | 1816.9 | 3633.7 |
| 48.0kHz/24bit | 281kB/s | 16.5 | 164.8 | 494.4 | 988.8 | 1977.5 |
| 44.1kHz/24bit | 258kB/s | 15.1 | 151.4 | 454.2 | 908.4 | 1816.9 |
| 48.0kHz/16bit | 188kB/s | 11.0 | 109.9 | 329.6 | 659.2 | 1318.4 |
| 44.1kHz/16bit | 172kB/s | 10.1 | 100.9 | 302.8 | 605.6 | 1211.2 |
容量ごとの録音時間（h:mm:ss）
| サンプリング/ビット | データレート | 100MB | 700MB | 1GB | 4GB | 10GB | 15GB | 20GB |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5.6448MHz/1bit | 1,378kB/s | 0:01:14 | 0:08:40 | 0:12:41 | 0:50:43 | 2:06:49 | 3:10:13 | 4:13:37 |
| 2.8224MHz/1bit | 689kB/s | 0:02:29 | 0:17:20 | 0:25:22 | 1:41:27 | 4:13:37 | 6:20:26 | 8:27:15 |
| 192.0kHz/24bit | 1,125kB/s | 0:01:31 | 0:10:37 | 0:15:32 | 1:02:08 | 2:35:21 | 3:53:01 | 5:10:41 |
| 176.4kHz/24bit | 1,034kB/s | 0:01:39 | 0:11:34 | 0:16:54 | 1:07:38 | 2:49:05 | 4:13:37 | 5:38:10 |
| 96.0kHz/24bit | 563kB/s | 0:03:02 | 0:21:14 | 0:31:04 | 2:04:17 | 5:10:41 | 7:46:02 | 10:21:23 |
| 88.2kHz/24bit | 517kB/s | 0:03:18 | 0:23:07 | 0:33:49 | 2:15:16 | 5:38:10 | 8:27:15 | 11:16:20 |
| 48.0kHz/24bit | 281kB/s | 0:06:04 | 0:42:29 | 1:02:08 | 4:08:33 | 10:21:23 | 15:32:04 | 20:42:45 |
| 44.1kHz/24bit | 258kB/s | 0:06:36 | 0:46:14 | 1:07:38 | 4:30:32 | 11:16:20 | 16:54:30 | 22:32:40 |
| 48.0kHz/16bit | 188kB/s | 0:09:06 | 1:03:43 | 1:33:12 | 6:12:50 | 15:32:04 | 23:18:06 | 1日以上 |
| 44.1kHz/16bit | 172kB/s | 0:09:54 | 1:09:21 | 1:41:27 | 6:45:48 | 16:54:30 | 1日以上 | 1日以上 |
※CD音質は1分10MB、2.8MHz/1bitでは1分40MB、1GBで25分、CDの４倍のデータ量。
